シゲムラ ヤスタカ  shigemura yasutaka
重村 泰毅

  • 所属   東京家政大学短期大学部  短期大学部 栄養科
  •     東京家政大学  家政学部 栄養学科
  •     東京家政大学大学院  人間生活学総合研究科 健康栄養学専攻
  •     東京家政大学大学院  人間生活学総合研究科 人間生活学専攻
  • 職種   准教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
招待の有無 招待あり
表題 ゼラチンとコラーゲンペプチド摂取後の血液中環状ペプチドの定量
掲載誌名 正式名:Functional Food Research
ISSNコード:2432-3357
掲載区分国内
出版社 ファンクショナルフード学会
巻・号・頁 18,43-49頁
著者・共著者 岩崎優, 仲戸川瑞穂, 佐藤吉朗, 重村泰毅
担当区分 最終著者,責任著者
発行年月 2022/09
概要 ゼラチンを酵素分解したコラーゲンペプチドは皮膚や関節の状態を改善する機能性ペプチドであ
る.それらの健康効果にはコラーゲン特有のヒドロキシプロリン(Hyp)を含む短鎖ペプチドの関与
が推察されている.近年,一般的な直鎖状のペプチドだけでなく,N末端とC末端が結合した環状
ペプチドが機能性ペプチドとして期待されている.本研究では,ゼラチン,ゼラチン加水分解物で
あるコラーゲンペプチド(CP),CP をさらに低分子化した低分子 CP の 3 種類を被験者 7 名に摂取
してもらい,摂取前後の血漿から Hyp 含有環状ジペプチドの cyclo(Pro-Hyp)を検出定量した.
結果,ゼラチン摂取 1 時間後に環状ペプチド cyclo(Pro-Hyp)が血中で増加し,ゼラチンを摂取
することでも環状ペプチドが血中に吸収されることが明らかとなった.血中で増加した cyclo(ProHyp)は,ゼラチン摂取から 4 時間後も摂取前よりも高い濃度を維持していた.また,ゼラチンを摂
取した場合,直鎖状よりも環状化した状態で吸収される Pro-Hyp の割合が高くなっていた.以上の
結果は,cyclo(Pro-Hyp)による生理作用はコラーゲンペプチドよりもその原料であるゼラチンを
摂取する方が効果的に発揮される可能性を示唆している.ゼラチン中には cyclo(Pro-Hyp)は含ま
れていないため,摂取したゼラチンが体内の消化酵素で切断され,その過程で環状化していると予
想される.今後は体内におけるペプチドの環状化メカニズムを解明していく予定である.