アオヤギ チハル aoyagi chiharu
青栁 千春
- 所属 東京家政大学 人文学部 心理カウンセリング学科
- 職種 教授
論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 児童虐待対応における校外関係機関と養護教諭との連携の現状―校外関係機関の職員への質問紙調査から |
掲載誌名 | 正式名:高崎健康福祉大学紀要 = Bulletin of Takasaki University of Health and Welfare ISSNコード:13472259 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 高崎健康福祉大学 |
巻・号・頁 | 16,39-48頁 |
著者・共著者 | 青柳千春, 阿久澤智恵子 |
発行年月 | 2017/03 |
概要 | 学校が児童虐待対応において連携を図ることが多い市区町村及び児童相談所の職員と養護教諭が連携をした内容と要保護児童対策協議会の個別ケース会議への養護教諭の参加状況等を明らかにし,今後,校外関係機関やその専門職と学校の連携・協働を推進するための養護教諭の役割を検討することを目的として自記式質問紙調査を実施した.回答は無記名とし,対象者への調査票の配布及び回収は郵送とした. 結果,以下について明らかになった.1.児童虐待対応において市区町村及び児童相談所の職員が養護教諭と連携した内容は,【養護教諭に被虐待児のケアや支援を依頼する】,【子どもや家庭に関する情報を共有する】,【通告のあったケースの子どもの安全確認の協力を依頼する】,【対応方針や役割分担について協議する】,【保護者や関係機関等との連絡や調整を依頼する】,【子どもとの面接の同席や家庭訪問の同行を依頼する】,【虐待を発見した養護教諭から通告を受ける】の7つのカテゴリーが抽出された.2.要保護児童対策協議会(個別ケース会議の開催)の実施状況及び養護教諭の参加状況については,担当したすべての虐待事例について個別ケース会議が開催されたとの回答が61人(59.8%)と一番多く,続いて開催された事例もある38人(37.3%),開催されなかったとの回答はわずか3人(2.9%)であった. また,養護教諭が,個別ケース会議に参加していたか否かについては,参加していたこともある54人(52.9%)と一番多く,続いて,参加していない24人(23.5%),参加していた21人(20.6%),わからない3人(3.0%)であった.3.校外関係機関やその専門職と学校の連携・協働を推進するための養護教諭の役割については,養護教諭は,その専門性や保健室の機能を活用することで,虐待を早期に発見したり,子どもが安心できる居場所を提供し,子どもの家庭状況や生活の様子に気を配ったりすることで子どもの安全を保障し,子どもの心身の回復と健康な育ちを支援することができる.また,養護教諭が,保護者へ健康相談の活用を呼びかけたり,日ごろから一人一人の保護者とのよい関係を作るよう取り組んだりすることで,虐待発生予防のための役割を担うことができる. |
DOI | 10.50973/00000070 |
NAID | 120006246587 |