フクイ イタル fukui itaru
福井 至
- 所属 東京家政大学 人文学部 心理カウンセリング学科
- 東京家政大学大学院 人間生活学総合研究科 人間生活学専攻
- 東京家政大学大学院 人間生活学総合研究科 臨床心理学専攻
- 職種 教授
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | クモ恐怖症に対するエクスポージャー法のNIRSによる効果検証 |
会議名 | 第108回日本心身医学会関東地方会(発表抄録集,p.19) |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | 長谷川誠, 福井至, Douglas Eames, 梅景正, 吉田栄治, 貝谷久宣 |
発表年月日 | 2006/12 |
開催地 (都市, 国名) |
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概要 | 近赤外線分光法(Near-infrared spectroscopy:以下 NIRSと略記する)を用い、クモ恐怖症に対するエクスポージャー法の治療効果検証を行なった。実験協力者はクモ恐怖症をもつ2名を対象とし、Pre-BATとしてNIRSをつけた状態で、ビンに入れたクモに実験参加者がどの程度の距離まで近づけるかを測定した。治療はVR(Virtual Reality)エクスポージャー法と段階的エクスポージャーを連続3日間、合計9時間実施した。Post-BATは、Pre-BATと同様の手続きを行なった。結果、Pre-BATでは両名ともビンを2m以上近づけられなかったが、Post-BATでは両名ともにビンを持つことができ、クモ恐怖症は治癒した。NIRS所見としては、Pre-BATでは恐怖を感じた時点で前頭葉全体に脳血流量が増加し、特に左前頭葉で顕著であった。また、エクスポージャーの際にも左前頭葉に増加が見られ20分でおさまり、通常状態に近づいた。この結果は、20分程度のエクスポージャーが効果を発揮するために必要であるというこれまでの知見と一致している。また、左前頭葉が恐怖反応に関連しているというAkiyoshi et al.(2003)の指摘と一致するものであった。 |